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USER INTERVIEW モロゾフ株式会社

「おいしさ」と「品質」のさらなる進化を追求し、 微生物検査の迅速性と精度を向上。

1931 年の創業以来、チョコレートや焼き菓子、カスタードプリンなどの洋菓子を提供してきたモロゾフ株式会社様。より安心・安全でおいしいスイーツを提供するため、製造環境や衛生検査体制の整備に取り組み続けてきたモロゾフ様では、微生物検査の迅速性と精度のさらなる向上をめざし、2015 年秋から「ペトリフィルム™ 培地」を導入しています。

モロゾフ株式会社
生産本部 六甲アイランド工場
管理課
若林滋 氏
モロゾフ株式会社
経営統括本部 品質保証部
保証担当部長
谷川基喜 氏

導入の背景

選定の理由

効果・メリット

食の安心・安全に関する意識の高まりを受け、より迅速に結果が得られる微生物検査法を模索。検量線による検査法を導入したところ、一部の菌の菌数を正確に測定できなかったため、並行して従来法も行うことになり、そのため現場の負担が増すなどの課題が生じました。

従来法との相関が高く、第三者認証機関から認証を受けている信頼性の高い検査法である点、また、生菌数も24時間で判定可能なため検査の迅速性を向上させ、リスク回避につながる点が高く評価されました。

結果が早く得られるため対応、改善を迅速に実行できるメリットに加え、培地づくりに関する負担軽減、スペースの削減、設備コストの低減といった利点が。今後はHACCP対応の面でも効果が期待されています。

モロゾフ株式会社様の会社概要

本社所在地 〒658-0033 神戸市東灘区向洋町西五丁目3番地
設立 1931年8月
資本金 37億3,746万円
売上高 349億9,384万円(2023年度)
従業員数 528名(従業員: 553名)(2024年1月31日現在)
事業内容 洋菓子製造・販売事業、喫茶・レストラン事業
URL http://www.morozoff.co.jp/

導入の背景

迅速に判定結果が得られる検査方法を求めて参

安心・安全とおいしさを追求

1931年に「神戸トアロード」にチョコレートショップをオープンして以来、「お客様に喜ばれる優れた商品とサービス」を提供してきたモロゾフ株式会社様。1962年に発売された人気商品「カスタードプリン」をはじめ、厳選した素材を使い、徹底した品質管理体制のもとでつくられるスイーツは日本全国で愛され続けています。

モロゾフ様では現在、札幌工場、船橋工場、六甲アイランド工場、西神工場、福岡工場の5工場を運営。1999年には西神工場がISO9001を認証取得するなど、お客様第一の品質保証体制を整備してきました。また、新工場を設計する際にはHACCPの考え方を取り入れ、物の動線、人の動線、空気の動線を考えた工場づくりを実践。工場内に設けられた検査室では、自主的な衛生管理として原料や製品、製造環境の検査・試験を定期的に行い、徹底した品質管理を行っています。

「検査室では、商品の抜き取り検査や製造ラインの拭き取り検査などを継続的に行っています。とくに消費期限の短い洋生菓子製品は微生物検査・試験を定期的に実施し、衛生指標菌の菌数をコントロールできているか、食中毒をおこすような菌が出ていないかを確認しています」
(生産本部 六甲アイランド工場 管理課 若林滋氏)

洋菓子業界では、厚生労働省が策定した「衛生規範」等の基準値を参考に自主基準を設定して、衛生管理目的の検査や期限設定のための検査を行なっています。モロゾフ様ではその基準値を遥かに下回る厳しい自主基準を設定し、厳格な品質管理を実施。安心・安全でおいしいスイーツを提供しています。

「一部に例外はありますが、当社では厚生労働省が設定した基準値の100分の1を下回る自主基準を設定しています。また、たとえ数値的に問題がなくとも、検査結果が理屈に合わない場合は商品を出荷しません。1万回のうち、9999回OKでも、1回のNGが出ることが予測される場合は出荷を許可しません。それが当社の品質保証の基本姿勢です」
(経営統括本部 品質保証部 保証担当部長 谷川基喜氏)

より迅速に結果がわかる検査法を模索

つねに品質管理の向上に努めてきたモロゾフ様では、近年の「食の安心・安全」意識の高まりを受け、問題が発生した場合に即応できる品質保証体制づくりに注力。その一環として、よりスピーディーに判定が可能な検査法の導入が検討されました。

その結果、検出までの時間が早い検量線による測定システムを採用しましたが、検量線による検査法には一部の菌の菌数を正確に計測できないという課題が。また、検量線による推定の判定となるため、最終判定を得るためには寒天培地を使用した従来法による検査を並行して行う必要があり、それが現場の負担増につながっていました。

「出荷前に衛生状態の悪さ加減を発見し、迅速に対応するため、数年前に検量線による検査法を導入しました。しかし、本来なら一度ですむところを2つの検査を行うため時間と手間がかかり、現場からは『なんとかできないか』と改善を求める声がありました。そうした経緯もあり、当社では培養法で迅速に判定できる検査法が望ましいという結論に達しました」(谷川氏)

選定の理由

参照法との相関に加え、迅速性、信頼性を評価

寒天培地との相関の高さを評価

モロゾフ様では、効率的に検査が可能な培養法として簡易培地の導入を検討。「ペトリフィルム™ 培地」や他社製品をテスト導入し、寒天培地による検査法との相関テストを実施しました。

テスト中、ある製品では一部の菌が出現しない、菌数が少ないといったケースが見られましたが、ペトリフィルム™ 培地は寒天培地との高い相関が認められました。

「比較検討するにあたっては、寒天培地で出てくる菌が同じように出るかどうか重要なポイントでした。テストした簡易培地の中には若干菌数が少ない、出てこない菌があるといった欠点が見られるものがあった中で、ペトリフィルム™ 培地は確からしさが寒天培地に近いことが確認できました」(谷川氏)

標準寒天培地とペトリフィルム™ 培地
生菌数迅速測定用プレート(RACプレート)との相関関係

判定時間の短縮によりリスク低減が可能に

そうした中で2015年3月、24時間で判定可能な「ペトリフィルム™ 培地 生菌数迅速測定用プレート(RACプレート)」が発売されたことから、効率性に加えて迅速性においても導入のメリットが大きいと判断されました。

「当社では、その日製造した洋生菓子を夜間に配送し、翌朝店頭に並べます。24時間で判定できるペトリフィルム™ 培地で検査を行えば、翌朝には衛生状態の悪さ加減を確認できるので、より早くアクションが起こせます。万一のときにいち早く対応できることは一番の利点だと考えました」(若林氏)

ペトリフィルム™ 培地 生菌数迅速測定用プレート(RACプレート)は標準寒天培地の2分の1の時間で結果が得られるため、製造現場の衛生面の問題をいち早く把握し、改善アクションを迅速に行うことができます。また、万一問題が発生した際も製品回収などの対応を迅速に行うことができるなど、リスクの低減に役立つ点が高く評価されました。

「安全面から見て、迅速に判定結果が得られる検査法を導入するメリットは大きいと判断しました。また、ペトリフィルム™ 培地 生菌数迅速測定用プレート(RACプレート)は標準寒天培地と比べて芽胞菌の拡がりを抑えることができ、測定しやすいことも大きなポイントでした」(谷川氏)

検査の一例

第三者認証を得ている信頼性もポイント

さらに、AOAC OMAやAFNORなどの第三者認証機関から認証を受けており※、多数の食材に対する検証がなされていることも選定の重要な要素とされました。
※ペトリフィルム™ 培地 生菌数迅速測定用プレート(RACプレート)は2015年12月にAOAC OMAを取得。2016年3月時点でAFNORは未取得。

「衛生管理目的の検査や期限設定のための検査は、原則として一般に妥当性が認められている方法でなければなりません。最近はさまざまな原理による簡易検査キットが発売されていますが、当社では信頼性の観点から、AOAC OMAなどの国際的な機関で認証されたものを使用すべきだと考えています」(谷川氏)

こうした検証結果をもとに、検量線を用いた検査法と寒天培地を用いた従来法からペトリフィルム™ 培地への切り替えが正式に決まりました。

AOAC Intl. OMA
Official Methods of Analysis of
AOAC INTERNATIONAL

AFNOR
Validated
Method

AOAC 公認法であるOMA は、FDA(食品医薬品局)、USDA(米国農務省)の代替法として国内、国際間取引に通用する妥当性確認された信頼性の高い試験法として評価されています。

AFNOR認証を受けた検査方法は、ISO 法の代替法として国内・国際間取引に通用する妥当性確認された信頼性の高い試験法として評価されています。

選定の
理由1

標準寒天培地の2分の1の時間で生菌数の検査結果を得るこ とができ、現場の改善や万一の際の製品回収が迅速に行える。

選定の
理由2

AOAC OMA、AFNORなどの第三者認証機関により妥当性確 認された検査法であり、信頼性が高い。

効果・メリット

迅速性が高まり、検査の質と量が向上

効率化によるメリットを実感

モロゾフ様では、2015年秋よりペトリフィルム™ 培地「生菌数迅速測定用プレート(RACプレート)」、「大腸菌群数測定用プレート(CCプレート)」を正式に採用。導入後は、迅速性に加えて効率面でもさまざまなメリットを実感されています。

「培地調製の時間と手間がかからなくなったことは、使う側にとって大きなメリットです。シャーレの置き場や作業スペースも大幅に縮小できました。また、インキュベーターやオートクレーブといった設備も最小限ですむため、今後は設備投資やメンテナンス費用も低減できると思います」(若林氏)

ペトリフィルム™ 培地は事前の準備が不要なため、緊急な検査への対応も即座に行えるようになりました。

「急を要する検査が夕方、突然入ってきた場合、以前は培地をつくるところから始めなければなりませんでしたが、ペトリフィルム™ 培地は袋から出すだけでよいので、急な検査に対応しやすくなりました。また、その日つくる培地の数を計算する必要がないので、実験計画も立てやすいです」(若林氏)

HACCP 運用に即した広範囲な検査が可能に

モロゾフ様では現在、厚生労働省が示したHACCPの義務化に向けた方向性に基づき、HACCPの考え方を取り入れた工場運営を実践しています。HACCPに基づく管理を行うためにはCCP(クリティカルコントロールポイント)の確認のため、さまざまな箇所の拭き取り検査が必要となりますが、培地調製不要のペトリフィルム™ 培地の導入により、検体数による制約を受けることなく必要な検査を行うことができるようになりました。

「寒天培地による検査は一日に対応できる検体数に限界があり、検査できない部分は後日にまわしていました。ペトリフィルム™ 培地の導入により、今後は検体数が増えても1日の中である程度一括して対応することができるようになると思います」(谷川氏)

すぐれた商品とサービスを適切な価格で提供し、より多くのお客様によりよく奉仕することをめざし、高品質な洋菓子を提供するモロゾフ様。安心・安全でおいしいスイーツを届けるための製造環境の整備や衛生管理に、24時間で判定可能なペトリフィルム™培地が役立てられています。

「洋菓子は、見た目の美しさといった『目に見える品質』と、おいしさ、安心・安全などの『目に見えない品質』の2つが求められる食品です。我々は今後もこの2つの品質の管理に徹底的にこだわり、『モロゾフのお菓子なら安心』と言っていただけるようお客様の信頼にこたえていきたいと考えています」(若林氏)

メリット

培地調製が不要となり、検査が効率化。
急な検査にも対応しやくなった。

メリット

検体数の制約を受けずに、HACCPに
対応した 多様な検査が行えるようになった。

メリット

設備投資やメンテナンス費用が低減。
保管や作業のスペースも縮小できた。