はじめに
低FODMAP食品の設計において、「フルクタン含量」は重要な品質指標です。特に小麦パンに含まれるフルクタンは、過敏性腸症候群(IBS)の症状に関与する主要なFODMAP成分として知られています。本稿では、製パン条件が焼成後のパンのフルクタン含量に与える影響に関する研究の概要とともに、Megazyme® フルクタン測定キット(K-FRUC)の活用方法を解説します。
概要
小麦を主原料とするパンは、FODMAP(フォドマップ:fermenting oligosaccharides, disaccharides, monosaccharides, and polyols)の一種であるフルクタンを多く含みます。フルクタンは腸内で発酵しやすく、IBS患者において症状を誘発する一因として知られています。
本研究では、異なる製パン条件(小麦粉の種類、発酵方式、発酵時間)で製造したパンに含まれるフルクタンを定量し、フルクタン低減に寄与する製パン条件の評価が行われました。
課題と分析ニーズ
パンのような複雑な食品マトリクスでは、フルクタンのみを特異的に定量することが課題となります。
HPLCなどの機器分析の課題
- 前処理が煩雑
- 装置コストおよび操作の専門性が高い
- 機器の立ち上げから測定完了まで時間を要する
主な結果
- 発酵方式および発酵時間の違いにより、パン焼成後のフルクタン含量が変動することが示された
- 酵母とサワー種を併用した二段階法および長時間発酵により、焼成後のパン中フルクタン含量が特に低減された
- 製パン条件の最適化により、低FODMAPパンの設計が可能であることが示された
ネオジェンのソリューション:Megazyme® フルクタン測定キット(K-FRUC)
Megazyme® フルクタン測定キット(K-FRUC) は、AOAC OMA 認証を取得した、酵素法によりフルクタンを迅速簡便かつ特異的に定量できる測定キットです。
測定原理概要
| STEP 1 | スクロース・デンプンの除去 サンプル中のスクロースおよびデンプンを酵素的に分解します。 |
|---|---|
| STEP 2 | 干渉糖の除去 生成したグルコースおよびフルクトースを還元処理により糖アルコールへ変換し、測定対象から除去します。 |
| STEP 3 | フルクタンの分解 残存するフルクタンおよびフルクトオリゴ糖を酵素的に分解し、主としてグルコースおよびフルクトースへ変換します。 |
| STEP 4 | 比色定量(PAHBAH法) 生成したグルコースおよびフルクトースをPAHBAH法により比色定量します(測定波長:410 nm)。 |
| STEP 5 | フルクタン含量の算出 測定値からフルクタン含量を算出します。 |
適用可能な検体
下記をはじめ、多様なサンプルに対応しています。

小麦パン、サワードウパンなど

小麦粉、大麦粉など

加工食品・原材料

タマネギ、にんにく、チコリ、キクイモなど


まとめ
パン製造や品質評価において、フルクタン含量は低FODMAPパンの設計において重要な指標です。Megazyme® フルクタン測定キット(K-FRUC)は、迅速簡便かつ特異的にフルクタンを定量でき、低FODMAP製品開発の強力なツールとなります。
参考文献
- Pejcz, E., Spychaj, R., & Gil, Z. (2019). Technological Methods for Reducing the Content of Fructan in Wheat Bread. Foods, 8(12), 663. doi.org/10.3390/foods8120663
ネオジェンジャパンのお役立ち情報ページでは、本稿のような製品のアプリケーションに関わる情報も掲載しております。
更新情報はメールマガジンにて発信しております。ぜひこの機会にメールマガジンへご登録ください。
![[NEOGEN] ネオジェンジャパン](/assets/img/common/logo-neogen.png)