リステリアとは
21種類存在するリステリア属菌のことを指し、その中でも主にリステリア・モノサイトゲネスが人への病原性を示します。
リステリア・モノサイトゲネスは感染症を引き起こす病原菌であり、感染経路の99%は食品由来であると言われています。
1 自然界に広く分布
環境中のいたるところに生息している
2 バイオフィルムを形成
バイオフィルムは固着するので、非常に除去しにくい
3 耐酸性・耐塩性が強い
pH4.4 ~ 9.4、 食塩濃度11.5%の環境下でも増殖可能
4 低温増殖性がある
冷蔵保存中(4℃以下)でも増殖する
リステリアの性質から、以下のことが起こり得ます

起こりうる可能性 1
菌が長期間生存可能な割れ目や隙間のような食品加工工場の環境が汚染源になりうる

起こりうる可能性 2
HACCPプランを策定しても、その前提となる一般衛生管理の不備によってCCP以降の工程で汚染が生じる恐れがある

起こりうる可能性 3
少量のリステリア・モノサイトゲネスの汚染でも、喫食までに増殖する可能性がある
罹患者の推定人数
日本でのリステリアの事例は北海道の1例のみですが、日本でもリステリア症の感染リスクはあります。
増殖リスクが高い食品
RTE 食品と呼ばれる加熱せずにそのまま食べる食品は注意が必要です。
リステリアへの注目度が高まっている背景
HACCPの制度化
HACCP制度化によって工程管理の重要性が増しています。
製造工程の危害要因分析によって、リステリアがリスクであると特定された場合に、対策として環境モニタリングの実施が必要になります。
このように HACCPによる衛生管理の考え方と密接な関連性があるため、注目につながっています。
食品安全マネジメント規格
国際的な取引の拡大によって、FSSC22000などを取得する企業が増えています。
このような規格は、コーデックスの食品衛生の一般原則やHACCPによる工程管理の考え方がベースになっており、その中で環境モニタリングの必要性が言及されています。
食品輸出拡大トレンド
日本政府は食品の輸出総額を2030年に5兆円まで増やすことを目指しています。海外へ輸出する食品企業は輸出先の欧米等に合わせたリステリア対策が必要です。
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/progress/index.html
令和4年12月 食料安定供給・農林水産業基盤強化本部改訂資料より抜粋
農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略:農林水産省
具体的な実施方法がまるごとわかる
リステリア環境モニタリングの教科書
リステリア環境モニタリング
実践ハンドブック
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